大学入試センターという独立行政法人2012年01月20日 22:23

 20数年前に, 私は2度,
大学共通一次学力試験(共通1次試験)(*1)を受けました。
今は大学入試センター試験(*2)と呼ばれる試験の前身に相当します。
多数の鉛筆と消しゴムを持って, 試験に臨みました。
1回目は, 高等学校でろくに勉強をしなかっただけでなく,
進む方向があやふやで, 勉強する意欲もなかったためでしょう,
酷い成績でした。
2回目を受ける時迄に,
基礎学力を固めたので, 2回目になってやっと,
この試験が基礎学力試験であると自覚できました。

 共通1次試験は, 問題を読み, 回答するのですが,
回答そのものを書くのではなく, マークシートと呼ばれる,
長い径が1 cmにも満たない楕円を,
鉛筆で塗りつぶす方法を採っていました。
どうやら今の大学入試センター試験も,
未だに同じ方法を採っているようです。
手書きの郵便番号を読み取れる機械がある世の中なので,
あの妙な楕円を鉛筆で塗りつぶす方法よりも,
数字を書かせれば良いと思いますが,
よくよく考えると,
共通1次試験や大学入試センター試験は,
高等学校2年頃までの基礎学力を調べるものなので,
高等学校で単位を取得していれば,
当然合格するはずの試験内容です。
本来必要がない試験です。それを敢えて試験しているというのは,
大学が, 高等学校の成績評価を全く信用していない,
ということになります。
1回目の共通1次の自己採点成績は良くなかったのですが,
それは私が卒業した高等学校は,
私の学力を把握できていなかった, ということになるでしょう。

 高等学校の成績評価がおかしいことが,
結果として, 大学入試センターなる,
意味不明の独立行政法人を存在させていることになります。
重ねて申し上げます。こんな試験は不要です。
高等学校教員の成績評価がおかしいのが, 全ての原因です。
高等学校は義務教育ではないので,
理解度が低い生徒には, 単位を与えてはなりません。
単位を修得した生徒は,
大学入学後に必要な学力の基礎を有しているということになります。
その学力は, 大学によって要求が異なるでしょうから,
いわゆる2次試験は必要でしょう。

 高等学校の成績評価がおかしいことが, このように,
無駄な独立行政法人を存在させています。
高等学校の教員には, きちんと仕事をして欲しいと願います。
成績がある理解力に達していなかった場合には,
単位修得を認めないことが大事ではないでしょうか。

 で, この独立行政法人のウェブサイトを見たのですが,
研究をやっているらしいです。存在意義がない組織ですが,
それでは独立行政法人として存在できないから,
無理矢理に, 研究をやっていることにしているのでしょう。
紀要を発行しているようですが,
2011年発行のものは, 1報のみ。
数値を解析して何かを書いてありますが,
だから何なの, と私は思うのでした。
2010年発行のものは, 大学入試センター試験とは関係ない報告も
ありました。正直申し上げて, 無意味な紀要です。

 このブログを書くきっかけになったのは,
次の日刊ゲンダイの記事(*3)です。
これによれば,
> 試験実施と問題作成で2カ月程度です。
> それなのに, 独法には100人の職員がいて,
> 100億円の土地を持っていた。
> 試験だけをやる法人がなぜ巨額な土地資産を持つ必要があるのか。
> 全くフザケた話です
ということです。
酷い話です。高等学校の成績評価がおかしいことを良いことに,
税金を無駄遣いしている組織と言えましょう。

(*1) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%85%B1%E9%80%9A%E7%AC%AC1%E6%AC%A1%E5%AD%A6%E5%8A%9B%E8%A9%A6%E9%A8%93
(*2)
http://www.dnc.ac.jp/
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E8%A9%A6%E9%A8%93
(*3) http://gendai.net/articles/view/syakai/134662


2012/01/21 昨日書いた文は,
途中で文が終わって意味が通じていなかった箇所がありました。
更に, 高等学校教員が「怠慢」であるという表現があって,
言い過ぎかと思ったので,
文を追加し, そして表現を改めました。