黄砂にのってやってくる物2012年03月04日 20:35

 約2年前に辞めた高等教育機関では,
教育と研究をやっていました。
研究については, その成果を論文にまとめることができなかったので,
研究をやっていた, というよりは, 「研究もどき」をやっていた,
という表現が正しいでしょう。
その「研究もどき」の1つに,
多環芳香族炭化水素(*1)という化合物種を,
化学反応で取り除くという課題がありました。
多環芳香族炭化水素とは, C6H6で表されるベンゼンを
基本とした単位が複数くっついてできている化合物種で,
その種類は, 作ろうと思ったら無限にできるでしょう。
長ったらしい名前なので, 英語名の,
polycyclic aromatic hydrocabonsの頭文字をくっつけて,
PAH(S)と表すことが多いです。
(s)となっているのは, 複数の化合物をさす時には,
英語では複数形にしないといけないからです。
日本語使いの立場からすると, 不便な約束です(^^;。

 有機化合物を不完全燃焼させることによってもできる物です。
有機化合物の不完全燃焼というと難しいと思うかも知れませんが,
食べ物や煙草, 燃料を燃やしたときに,
大抵は煤(すす)ができるますが, 煤ができる時には,
このPAH(s)もできることが多いです。
そして, PAH(s)の中には, 発癌性を含む, 有害な物質があるのです。
私は, 車の排ガスから出てくるPAH(s)やその仲間を
取り除く反応の「研究もどき」をやっていました。
いくつか成果が出たので, この研究課題に取り組んだのですが,
学会発表しても, 殆ど誰からも反応がありませんでした。
私の研究の仕方か, 研究課題そのもの, あるいは両方が,
多くの人に興味を抱かせるものではなかったのでしょう。
それはともかく, そのような物質が,
中国から飛んでくる黄砂表面にくっついている,
という話と, それに関する話が,
富山新聞のウェブ記事にありました。(*2)
それによれば, 黄砂には, 上で書いたPAH(s)だけでなく,
細菌もついていることが明らかになってきた,
ということです。
ウェブ記事は, それらの吸入を阻止するためのマスク開発の話が
主題です。そちらの話は, よく分かりません(^^;。
どんな物質なのかなあと検索してみたら,
特許情報になってしまいました。
何となくシアノ化合物のような気がするのですが...。

 細菌の話は分かりません。
PAH(s)については, 黄砂の上に留まっている分については,
黄砂を物理的に取り除けばよいのでしょうが,
黄砂の上からじわじわと蒸発(揮発)してくる分については,
厄介だと思います。マスクをして黄砂の吸入を防ぐだけではなく,
PAH(s)が出て行かないようにする必要があるでしょう。
黄砂が飛ぶ時期だけにマスクをするというのも面倒ですが,
嫌な世の中になった物です。
東からは放射能, 西からは毒性物質が乗っかった黄砂,
環境問題解決が重要と言われているのに,
全然解決していないですよね。
特に原子力発電所を推進してきた自然科学者や技術者は,
せめて速やかに廃炉, 放射能隔離技術の確立, 実用化に
関わってくれれば良いと思うのですが,
この期に及んで,
未だに安全な原子力発電所を探求しようとしていますから,
そのような人達をどう理解すればよいのか, 悩む次第です。

(*1) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%9A%E7%92%B0%E8%8A%B3%E9%A6%99%E6%97%8F%E7%82%AD%E5%8C%96%E6%B0%B4%E7%B4%A0
(*2) http://www.toyama.hokkoku.co.jp/subpage/H20120304101.htm

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