[富山] 酵素の工学: 凄い技術だなあと書こうと思っていたのですが, 単なる人間の我が儘のように思えてきました。2014年02月07日 22:47

 私は遺伝子組み換えをどんどん進める研究は,
どうかなあと思う立場です。遺伝子をいじることによって,
いじられた遺伝子が環境に出て行った時に,
どのような事が起こってしまうのかを考えると,
どうしても, 未来は明るい, のような考えができない人間です。
そのような人間が,

> 医薬品製造効率化へ 県立大が世界初の酵素開発

という記事[1]を見ると,
凄い技術だなあ, と書くつもりでいたのに,
そんなことよりも大切なことがあるのではないか,
と思ってしまいます(^^;

 [1]の記事は, 富山県立大学[2]の
浅野泰久教授の研究班による成果の紹介です。
この先生の名は, 研究での求人情報を見ていると,
時折見かける方です。酵素の研究がご専門のようです。
ERATO採択[3]と言う段階で,
凄い研究内容であると思われます。

> 浅野教授らがブタからとった酵素をもとに
> バイオ技術で開発した世界で初めての酵素を使うと,
> 今までの手法の2倍の効率で
> 有効な物質を取り出せることが確認できました。

とあります。効率が良いことは悪いとは言わないのですが,
この「バイオ技術」とは, 遺伝子組み換え技術のことです。
これ迄存在しなかった酵素(タンパク質)を作ってしまったわけです。

> この技術を改良すれば,
> アルツハイマー病や過活動ぼうこうの治療薬など,
> 医薬品製造のコスト削減が期待できるということです。
とあるので, 全然問題がなさそうなのですが,
結局は, コスト削減の問題になります。
私はお金の流れについて疎い人間なので,
以降(も?)お馬鹿なことを書くとは思いますが,
それでも敢えて書かせてもらえれば,
コスト削減のために, 酵素を作ってしまうのはどうかなあと。
その酵素を, 化学反応装置の中だけにとどめることはできますか?
その酵素が世界中に出て行って, 問題は起こさないですか?
そもそもの問題は, なぜ薬にお金がかかるか,
もそうですが, そのような治療薬が必要となった背景の探求に
あるのでは, と思ってしまうのです。

 化学屋のつもりなので, 面白い酵素を作ったこと自体は,
とても興味深いことと理解しているのですが,
私の心(魂?)が, 素直に「興味深い」と言ってくれないのです。

> 医薬品の成分の中には
> 鏡対象の構造をした2つの物質が一体となっているものがあり,
> 治療薬として有効な物質だけを
> 効率的に取り出す技術の確立が課題となっています。
これは, 光学異性体の話なのでしょう。
BINAP[4]と似た話と理解すればよいかと思います。
BINAPと似た, 触媒(酵素)を合成した, なら良かったのですが,
遺伝子工学...。やっぱり, 引っかかります。
遺伝子工学によらずに, 酵素を合成したら,
違った印象を持ったのかも知れないのですが...。

 ともあれ, この研究室の紹介pdfで,
CCN結合が折れ曲がっている(実際には, C, C, Nは一直線上)のを
見ると, ???ではないか, と思ってしまうのです。
基本には忠実にありたいですね。

[1] http://www.knb.ne.jp/news/detail/?sid=2460
[2] http://www.pu-toyama.ac.jp/
[3] http://www.jst.go.jp/erato/
[4] http://ja.wikipedia.org/wiki/BINAP

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