[富山] 「旅の人」という語2013年03月31日 20:50

 富山の人達の中には, 富山の外から来た人達を,
「旅の人」と呼ぶ方がいらっしゃいます。
旅をしていて, たまたま富山に立ち寄っている人,
という意味なのでしょうか?
私はその意味ではまさに「旅の人」なのですが,
この語で自分を呼ばれたことはありません。
呼ばれても全然気にしない,
というよりも, 歓迎するのですが(^^;。

 ただ, 前に勤めていた職場で,
この語を, 「旅の人」に向かって語った場面に遭遇した時,
とても嫌な語だと思った記憶があります。
「旅の人」に対して,
富山にいらして, そろそろ40年近くなので,
もう「旅の人」ではないと言えると思います,
のような発言でした。
「地元の人」ではない, という意味で使われているようです。
そして, 「40年もいれば, そろそろ地元の人」と言って良いだろう,
という感じの, 「おまえを仲間にする」という意味で理解したのです。
私の理解が間違っていたら申し訳ないですが,
その発言の流れからすると, そのような意味で理解して良いでしょう。

 私には, 地元がありません。
生まれは大阪, 育ったのは南関東,
仕事をしてからは富山, 外国滞在も経験しております。
なので, ある土地に執着する人の気持ちが分かりません。
地球人と言えるでしょう。

 ここは私(達)の土地, という考えは,
好きではありません。
先祖代々が守った土地, という表現は, 大嫌いです。
仮に皆が先祖代々の土地を愛していたのなら,
原子力発電所を「地元」に造らせる筈はないですし,
福島でのあれだけの事故があっても尚,
これを稼働させると発言するとしたら,
先祖代々守ってきた土地を,
最も破壊する人達でしかありません。
そもそも, 土地は所有する物ではないと思います。
「旅の人」は, そのような立場の私からしたら,
呼ばれて嬉しい言葉と言えるでしょう。

 ある方とのメールのやりとりで,
この「旅の人」という単語を使ったので,
書いてみました。